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発表!!寄付月間賛同企画「あなたが選ぶ大学ファンドレイジングニュース2021」

寄付月間2021賛同企画「あなたが選ぶ大学ファンドレイジングニュース2021」を発表します!

ご応募いただいた皆様、ありがとうございました!!今年、皆様からお寄せいただいたニュースは18件。

エントリーの中から運営メンバー小出&天尾で、個人的に気になるニュースを2件ずつ勝手にピックアップしました!

 

 <徳島大学小出のちょっと気になるニュース>

 

①新潟大学ドナルド・マクドナルド・ハウス にいがた(小児医療宿泊施設) 誘致の募金

【内容】

建設費は3億5,400万円で、DMHCと国立大学法人新潟大学が折半して拠出する。新潟大学では、一昨年に募金委員会を発足し建設資金を募金で集めはじめ、これまでに2,000個人・団体以上から目標額を超える1億8,800万円を集めることができたという。

【選出理由】

 ドナルド・マクドナルド・ハウスは、日本では11施設(2021年12月現在)で東京・大阪・名古屋・栃木・仙台・札幌・埼玉とまだまだ多くはない。この取り組みについては誰もが必要性を感じているが運営面資金面と容易ではないようだ。新潟大学医歯学総合病院の敷地内に建設される。これまでに2,000個人・団体以上から目標額を超える1億8,800万円を募金で集めることができた。長く継続した支援のためにも、大学との関りや寄付で資金を集めたことで関係者も多く、取り組みを知る機会になったり、運営していくボランティア等への参加にも期待できる点。

【URL】

 https://www.niikei.jp/207608/

 

②米沢キャンパスを憩いの場に ケヤキ並木保全プロジェクト開始

【内容】

 地方国立大学が、地域におけるコモンズを目指すための寄付プログラムを創設。CFサービス企業との提携なしに独自のネットワークで共感ファンドレイジングを展開中。

【選出理由】

 推薦理由:山形学基金に寄付プロジェクト「やまだい未来へつなぐプロジェクト」を設置した。教育研究活動や環境整備などに役立てるため、目的と期間を限定し寄付を募る。今回はその第1弾として企画。大学のコモンズ(公共財として現在の大学所属者と既卒や地域とのつながりとシンボル的なプロジェクトである。大学が維持していくのではなく、地域そして、一人一人が関わりを持てる機会としている点。

【URL】

 https://www.asahi.com/articles/ASP9W6VD4P9KUZHB005.html

 

<東京大学天尾のちょっと気になるニュース>

 

①国が10兆円大学ファンド創設を表明

【内容】

 日本の大学の資産運用の規模は米国より小さく、資金力の乏しさから研究基盤のぜい弱化が指摘されている。日本政府は、2021年度中に10兆円規模の大学ファンド(基金)を立ち上げて運用を始め、研究資金を拡充する計画だという。

【選出理由】

 アメリカでは、ハーバードやイェール、スタンフォードといった名門大学が数兆円規模の運用を行う基金を持ち、運用益を研究開発費や研究者の待遇改善などに充てている。一方、日本では、科学技術予算は20年間ほぼ横ばいであり、予算規模の停滞は、研究力の衰退につながっていると言われている。ファンドの運用目標は「4%超」。運用益により、大学の研究環境や研究者の待遇改善につながることに期待したい。

【URL】

 https://news.yahoo.co.jp/articles/36f44c49504d05a1a9f04ed28b15364daff7ef28

 

②東大愛猫家フィーバー 善意の2.3億円

【内容】

 東大の宮崎徹教授(免疫学)らの研究チームが、コロナ禍の影響で中断していた飼い猫に多い腎臓病の治療薬の臨床試験を再開した。コロナ禍で協力企業が出資を見送り、開発は中断に追い込まれていたが、今年7月、苦境がインターネットの記事で伝えられると、東大に寄付が殺到し、これをきっかけに新たに国内の製薬企業が支援を申し出、開発計画が再始動した。

【選出理由】

 慢性腎臓病(慢性腎不全)は猫の老齢期での発症が多く、死亡率の高い病気である。慢性腎臓病により一度壊されてしまった腎臓組織が、治療により回復することはなく、腎臓病は「猫の宿命」とも言われてきた。この疾患により多くの愛猫家が、大切な家族との別れを経験している。宮崎教授は獣医師ではなく、人間の病気の治療法研究者である。現在機運の高まっている、-医学・獣医学の横断的な連携-(ワンヘルス・アプローチ)という観点からも注目される。

【URL】

 https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20211107-OYT1T50165/

 

以下、お寄せいただいた順に16ニュースをご紹介いたします!

 

①SDGsを卒業生組織が応援する

 東洋大学の学生が、校友会が大学のSDGsを応援する様子をHP(https://www.alumni-toyo.jp/news/toyo-sdgs2021sympo/)で見て支援を依頼。校友会が在校生支援の形式でSDGsフェアトレードの取り組み支援として販売協力した結果、わずか2日間で完売。在校生を支援する母校愛に感動した取り組みです。

 https://www.alumni-toyo.jp/news/smile-f-laos/

  

②Zoom録画で、無料YouTube活用で母校愛を啓蒙

 卒業生による寄付金協力などの大前提は、母校愛の醸成。卒業生がどのように活躍しているか、母校の卒業生としてどのように誇りをもって生きているかを訴求し、卒業生祖組織を活性化させることは大変重要です。東洋大学校友会では、協力してくれる卒業生にZoomで講演してもらい、その録画をYoutubeにアップして活用しています。

 https://www.alumni-toyo.jp/news/alumni-tournament-session1-movie/

 

③Be Boundless — For Washington, For the World.

 10年間のキャンペーンを実施し、50万人の寄付者から63億ドルを集めたワシントン大学のキャンペーン。10年という長期キャンペーンを最後まで実施して結果を出していること、そのインパクトの大きさは計り知れない! ここまで多くの人を巻き込めるのは多様な支援が期待できる大学だからこそ!サイトは英語ですが、Google翻訳で十分意味のわかる日本語になります。ぜひ読んでみてください。

 https://www.washington.edu/boundless/about/

 

④寄付付き自販機による大学支援

 国立大学法人島根大学は、地方創生を推進するため、様々な教育・研究活動を行っています。こうした活動の一つとして、島根県の産官学金を挙げて『先端金属素材の中心・島根』を創出するプロジェクト「先端金属素材グローバル拠点の創出 -Next GenerationTATARA Project-」があります。

同プロジェクトの連携団体である島根県鐵工会様に、「寄付付き自販機」を設置いただき、2021年9月15日にそのお披露目式が開催されました。この自販機の売り上げの一部は、島根大学支援基金に寄付され、同プロジェクト内で実施する「次世代たたら奨学金」の資金として活用されます。

企業等が設置する寄付付き自販機による支援は、NPOなどに対するものとしてはよく見られますが、大学への支援の形としてはとても珍しいものです。また、大学の教育・研究活動を消費者の方々に知っていただくきっかけになるという意味でも、寄付付き自販機による支援は優れていると考えられます。

 https://www.fund.shimane-u.ac.jp/docs/2021092200015/

 

⑤神奈川県逗子市に10億円寄付 これを原資に奨学金制度設立へ

 逗子市出身でアメリカ在住の男性から大学生の奨学金事業を始めることを条件に市に対して現金10億円を寄付すると申し出がありました。男性は、幼い頃、父を亡くし、大学に進学する際に市から教育費の援助を受けたことから、恩返しがしたいというのが寄付の動機だそうです。市は、給付型の奨学金事業を行う方針です。

 https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20211122d.html

 

⑥BMS 京都大学に55億円を寄付 本庶佑氏がセンター長

 ブリストル マイヤーズ スクイブのジャン=クリストフ・バルラン代表取締役社長は京都大学に総額55億円を寄付する方針を明らかにしました。寄付金は、ノーベル賞受賞者の本庶佑・京都大学⾼等研究院特別教授がセンター長を務める「がん免疫総合研究センター」の本部棟の建設資金として使用されます。

 https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=70521

 

⑦大学CFもりだくさん!

 2015年頃から大学においてもクラウドファンディングを活用したプロジェクトは増加傾向にあります。2021年最新の多額の資金獲得に成功した大学クラウドファンディングランキングをご紹介しています。

 https://alumni-social-lab.com/university-crowdfunding-ranking/

 

⑧桜美林大学校友会運営の寄付型自動販売機を設置

 桜美林大学校友会は学生支援、大学支援、校友支援に取組んでおり、持続可能な支援方法として寄付型の自販機を設置しました。

 https://twitter.com/obirin_koyukai/status/1447444211872108544?s=20

 

⑨【2021年最新!】寄付金収入にみる国公立・私立大学ランキング

 学生数5,000人以上が在籍する大学を対象にした、2017~2019年度の過去3年間分における各学校法人の寄付金実績ランキングをご紹介いたします!

 https://alumni-social-lab.com/university-donation-ranking/

 

⑩「東京からインドへ」学生団体の設立

 東京大学の学生等が新型コロナの被害を受けたインドの農村地域支援を目的とした「東京からインドへ」というグローバルな学生団体を設立しました。寄付金は主に農村地域や、女性、先住民族、人身売買の被害者など、パンデミックの影響を強く受け社会的に疎外されたコミュニティを支援する、5つの現地非政府組織(NGO)に寄付されます。

 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000081648.html

 

⑪【岡山大学】サッカー部の卒業生からサッカーボールを寄贈

 昭和46年に本学を卒業した同部卒業生8名が、同窓会を岡山市内で開催したのを機に、同部現役部員を激励するために大学を訪れ、サッカーボールを寄贈し、現役部員との交流を深めました。

 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000379.000072793.html

 

⑫【寄付で応援】さらなるレベルアップへ 4回転ジャンプに挑戦

 法政大学1年の渡辺倫果(19)は中学時代からカナダを拠点に練習を積んできましたが、新型コロナウイルスの感染拡大で渡航ができず、千葉県船橋市の三井不動産アイスパーク船橋に拠点を移しました。2017年冬季アジア大会銅メダルなど国際大会で活躍した中庭健介コーチに師事し、レベルアップをめざし、競技活動を続けるため、ギフティング(寄付)を活用しています。

 https://4years.asahi.com/article/14409850

 

⑬創業83年、慶應義塾大学の学生食堂『山食』を救ってください 

 塾生・塾員などを中心に、愛されてきた『山食』。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって、売上が昨年と比べて激減して存続が厳しくなりました。そこで最後の頼みの綱として、クラウドファンディングに挑戦し、クラウドファンディングアワード2021において、部門賞を受賞致しました。

 https://camp-fire.jp/projects/view/359922

 

⑭神田外語大学[有志の在校生で企画した野外映画祭の応援をCFで実施]

 コロナ禍により大学生活がオンライン中心になってしまい、キャンパスで過ごす友達との思い出を一つでも作りたいと、有志の在校生が集まり、2年がかりで企画。本番を迎えるにあたり資金がどうしても足りず、卒業生の招待も是非という思いも重なり、クラウドファンディングを実施し集まった資金は機材の調達や返礼品に充てられました。返礼品は懐かしさを感じさせる「写ルンです」。当日は170名弱の観客が集まり、大成功に終わりました。

 https://www.kandagaigo.ac.jp/kuis/alumni/index.php/blognews/kuis-night-cinema/

 

ニュースをお寄せいただいた皆様、ありがとうございました!!

 


<総評>

 

2021年は新型コロナウイルス感染症の影響の中、ワクチン接種、オリンピック・パラリンピック開催がありました。ウィズコロナ・アフターコロナで誰もが辛抱の中、工夫し、共助を模索しながら新しい生活様式を続ける一年だったと思います。大学にとっても教育・研究・地域貢献を止めることなく、自分たちのミッションを改めて考える機会になっているのではないでしょうか。

皆さんが選んだ大学ファンドレイジングニュースから、いくつか感じたことをまとめてみました。

 

(1)   大学の地域貢献、社会課題解決と寄附

2021年の新語・流行語大賞にノミネートされ、世の中に浸透してきたSDGS(持続可能な開発目標)は、大学の寄附集めにも影響を与えたと思います。SDGsは社会全体で取り組む目標であることから、地域社会を巻き込み、各大学の知的資産や取り組み等を広くわかりやすく分類する指標として使われることが多くなりました。ニュースにも大学の地域貢献、社会課題解決と密接に関連した事例が多くみられました。

 

(2)新たな外部資金調達

  政府が設立する10兆円大学ファンドの目的は、研究力の向上だけではなく大学の自らの知的資産に価値を付けて民間投資を呼び込むことで財政基盤を強化する意味合いがあります。だた、全国の大学一律にファンドの支援を受ける仕組みではないため格差の懸念もあるように思います。この仕組みで日本の大学の研究の底上げにあること期待しています。

(3)   情報発信と寄附

大学は、研究をより多くの人々がアクセスでき、より多くの人々が協力し、より多くの人々を巻きこみ、より人々から信頼される科学研究を実現する必要があります。研究の成果には、大きな波及効果が期待できる可能性が高い。しかし、その過程には簡単なものでもない。大学の活動を知ってもらうためには、目標、経過過程、そして結果を様々な媒体で発信することは非常に重要になります。デジタル社会において、情報は蓄積され、多くの人や場所で拡散される可能性から共感のきっかけや、信頼性となり寄附との繋がりになると今後ますます期待されていると感じました。

 

大学ファンドレイジングは、大学と社会との双方向の繋がりがあってこそ成り立つものです。大学が社会課題や地域貢献などミッションを持って取り組み、それを発信することの大切さを認識したトピックがいくつもあった2021年でした。来年はどんな年になるでしょうか。今後も大学ファンドレイジングに注目していきましょう。